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LPS研究紹介

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LPS研究紹介

マクロファージと糖脂質の最近の話題(26)

褐色脂肪細胞から発熱に反応して分泌されるケモカインによって抗炎症タイプのマクロファージと褐色脂肪細胞は会話をする。

脂肪細胞には大きく分けて白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。この2つは名前は似ていますが働きがまったく異なっています。

白色脂肪細胞はエネルギーを蓄えることが主な働きで皮下脂肪や内臓脂肪がそれにあたります。一方褐色脂肪細胞は脂肪や糖を分解して熱を作ることが主な働きです。

この褐色脂肪細胞が今注目されています。その理由は褐色脂肪細胞の働きを強化することで肥満が解決されるのではないかと期待されるからです。褐色脂肪細胞は年齢とともに減少すると言われており、中年になると肥満になるヒトの割合が高くなるのは褐色細胞の数が減ると共にその活性も低下していくことが原因のひとつと考えられています。

また近年の研究でベージュ脂肪細胞という細胞が発見されています。ベージュ細胞は白色脂肪細胞が変化してできると言われています。その機能は褐色脂肪細胞に似ています。ですから加齢とともに減少する褐色脂肪細胞の働きを補うことができる細胞と考えて良いと思います。従って中高年の肥満を抑制するにあたっては、褐色脂肪細胞を活性化することと、ベージュ細胞の数を増やすという二通りの戦略が考えられることになります。

以上について、この二つの戦略に関係する報告がCell Metabolismで紹介されています。

Cereijo et.al Cell Metabolism 28,1-14 November 6,2018論文によると、褐色脂肪組織の熱産生に応答してケモカイン(免疫細胞を引き寄せる因子)であるCXCL14が褐色脂肪細胞から分泌され、このケモカインは抗炎症性のM2マクロファージを脂肪組織に呼び寄せます。そして呼び寄せられたM2マクロファージがどうやら褐色脂肪組織の活性化や白色脂肪細胞のベージュ細胞への変化に必須な働きをしているのではないかという事です。

このことはCXCL14が欠損したマウスを低温状態に置くと褐色脂肪細胞の働きが抑制され(低温状態では熱を産生しないと恒常性が維持されないので通常では褐色脂肪細胞が活性化されます)、M2マクロファージは脂肪組織に集まりにくくなること、またM2マクロファージのサイトカインを産生できなくすると、CXCL14が産生されなくなり白色脂肪細胞のベージュ細胞への変化が阻害されることなどからも明らかだろうとしています。

LPSの経口・経皮投与によりマクロファージはM2型に活性化されます。そうするとLPSの経口・経皮投与によって、脂肪組織に集まるM2マクロファージの数が増加することに繋がる可能性があります。

もしそうなら、LPSの経口・経皮投与は、万病のもとと言われる肥満を抑制する上で極めて重要な機能を果たしているのではないかという事が示唆されることになります。今後の研究が待たれます。

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