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LPS研究紹介

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マクロファージと糖脂質の最近の話題(5)

幹細胞を超える-分化したマクロファージは自分自身を再生する-

マクロファージは全身のあらゆる組織・器官に存在して、組織の恒常性の維持や感染防御や組織修復に必須の働きをしています。これらのマクロファージは包括的に組織マクロファージと呼ばれますが、例えば脳に存在するマイクログリア、皮膚に存在するランゲルハンス細胞などのように別の名称がつけられることがあります。

ところで、これらの組織マクロファージはどのようにして分化・増殖するのか、ということは組織における恒常性の維持等に関するマクロファージの生理的な役割を理解する上で重要な意味を持っています。

この点について、組織マクロファージは血中の単球に由来すると教科書的に50年以上に渡り考えられてきました。つまり、血中単球が、各組織に移行して、それぞれの組織や器官の微小環境の情報によって、組織マクロファージに分化するというものです。この考え方は1960年代のマクロファージ研究の大御所、van Furth and Cohnらによって提唱されたこともあって支持されてきました。ところが最近の研究によってこの考え方が違うことがわかってきました。以上の点に関する最新の研究成果が以下の論文で紹介されています。

Michael H. Sieweke and Judith E. Allen SCIENCE VOL 342 22 NOVEMBER 2013 1242974:1-7

論文では、まず、組織マクロファージは、血中単球に由来するのではなく、胎児期の造血器官の一つである卵黄嚢であることを紹介しています。

卵黄嚢には原始マクロファージが存在して、将来いろいろな組織・器官に分化する場所に移動し、胎発生と共に分化・増殖して組織マクロファージに成熟する、という事実です。

もうひとつ明らかになってきた事実は、組織マクロファージは、自分自身を再生する能力があると言う事です。組織マクロファージが再生するときには一旦若返り、そして分化・増殖して新たな組織マクロファージを作り出すというのです。つまり組織マクロファージは、あたかも幹細胞(ES細胞やiPS細胞と同様な多分化能)と同様な機能を持つのではないかと述べられています。

組織マクロファージは健康を維持する上でまた病気の予防の点からみて、必須の役割を果たしていますが、組織マクロファージに関する研究では、単球を人工的に操作して組織マクロファージに分化させる技術が使われてきました。けれどもこの論文に従えば、組織マクロファージの特徴や機能、そして組織マクロファージの活用を考える際には、別の角度から組織マクロファージの研究に取り組む必要があることが示唆されます。

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